『天保十二年のシェイクスピア』の感想を書こうと思いつつ、なかなか進まない。
おもしろかったのだけど、正直スッキリしない部分も多々ある。所詮私がいのうえ演出・岡崎司音楽の大ファンだというのもあるのだろうけど。
歌舞伎版『十二夜』の時も思ったのだけど、「戯曲に忠実に芝居を作ることに価値を見出す」ということに、重きを置きすぎていないだろけうか?『十二夜』はそこに重点を置くあまり、前半が非常に退屈だった。
『天保十二年のシェイクスピア』については、決してその点は退屈ではない。だが「忠実」が評価のポイントというのは、どうも私は好きではない。
芝居は戯作者のものではない。私たち、チケット代を支払った観客のものである。観客は下手すればシェイクスピアを一作品も知らずに来ていたりもするだろから。
蜷川版は確かにおもしろい。ただ同行した人間が揃いも揃って二幕より一幕が良かったと言う。二幕になり三世次が中心となると、そのドラマにどうしても物足りなさを感じてしまうらしい。
蜷川版でひっかかる点。結局初観劇と余り変わらないのだが(苦笑)
◆ 三世次が弱い
◆ 転換がウザい
◆ 音楽がチープ (しかも演奏がカラオケの安テープみたい)
まず三世次。二回目に前方で見て、唐沢三世次もなかなか良いな〜と思ったが、やはり自分は上川三世次を見すぎていた。小悪党より大悪党が好きだ。
いのうえ版DVDの副音声も改めて聞いたが(古田さんが入っているのでオモシロイ)、三世次はとにかく台詞が膨大。
その肝心の台詞が唐沢版は弱いんだよね〜。上川版を見てなければまた違うのだろうが。
二幕の見せ場、幕兵衛を追い詰める場面、河岸安を陥れる場面、ここの台詞が圧倒的に上川版のが上手いのだよね。唐沢三世次は予想以上の健闘なのだけど。
だから二幕が薄くなっとしまったのかな。
ただこの辺りの小悪党なキャラ作りも蜷川さんの計算かも?
近くで見た方が圧倒的に伝わるものの多い芝居の作り方といい、意識的に昔のアングラっぽい演出をしているのかな。
この話、長くなるので週末にでもゆっくり追記します。
天保・・・を2回ご覧になったのですね。羨ましいです(^^)私は縁がなくって見ることができないので、12月のWOWOWまでお預けです。
書かれてらっしゃるように、私もいのうえ版の天保は三世次と幕兵衛のシーンが最高だと思っていますよ。河岸安を陥れる時の褒め殺しなんかも上川さん上手いですよね。そんなわけで1幕より2幕が好きです。詳細レポ、楽しみにしてますね。
長いせいか、三世次にはいくらなんでも感情移入はできないせいか、だと思ってたんですが、これはいのうえ版を早く観ないとですね!
hikaru_kimiさま
こ訪問ありがとうございます。プログ見てました。
天保、いのうえ版は二幕が圧巻でしたね。蜷川さんとはその辺り芝居の作り方が違うので、単純な比較は、と思うですが、やはりいのうえ版の二幕が好きです。
yopikoさま
いつもありがとうございます。
いのうえ版の二幕は圧巻ですよ〜。ぜひぜひDVDをみてください。
私はいのうえひでのり演出版を見ていないので、
今回の芝居を単純に感心してしまったのですけど、
そうですかぁ、いろいろ違うみたいですねぇ。
DVD見てみようかなぁ。
はじめまして。訪問ありがとうございます。
蜷川さんのは一幕がこってりしていたので、逆に二幕もあの調子だったらてんこ盛りすぎるのかな、とも思います。
風邪が治ったらブログにも遊びに行かせて頂きまーす。
いのうえ版を観てなければこれはこれで楽しめたと思いますよ。確かにいのうえ版だと桶屋母子のくだりは省いてあったのでその辺が今回、冗長に感じたような気がします。このくだりは他とあまりからまないから演出によってカットはありですね。でもそうするとシェイクスピア全37作品にはふれられなくなるからどちらを採るかということで蜷川さんは当然全作品網羅版をやりたいでしょう。全作品を蜷川版で上演する予定なんですから。まあ、それのへんはねらいの違う上演と理解しております。
こういうことも自分のブログに書けばいいのにね。いつ書くんだ、私。私も実は今体調が悪くてダメです。喘息がけっこうひどい。薬がきれると症状が出てくる。まあボチボチいきますので、よろしくm(_ _)m
ぴかちゅうさんの感想、楽しみにしています。とはいえ体が大事!ですがら、ゆっくり書いてくださいね。私も早く風邪治します。