2005年09月24日

九月博多座大歌舞伎 その3

ゆっくり感想を書こうと思っていたが、人間の記憶というのはどんどん薄くなる。しかも明日も芝居だ。感想は勢いが大事!なので、とりあえず書き始めます。

昼の部『三人吉三巴白浪』
【序幕】
両国橋西川岸の場/大川端庚申塚の場
【二幕目】
割下水伝吉内の場/本所お竹蔵の場
【三幕目・大詰】
巣鴨吉祥院本堂の場/裏手墓地の場/元の本堂の場/本郷火の見櫓の場

何度か見ている芝居だけど、本当に筋がおもしろくて、大好きです。今回もとても楽しめました。
まぁ、お嬢とお坊の二人吉三という感じだったけど…。獅童さんも凄く熱演しているのだけど、やはりまだまだこの役は任が重かったかな〜という印象。
【序幕】

まず登場するのが、100両の金を紛失し、身を投げようとする十三郎。笑三郎さんは立ち役をするとすっきりして実に素敵。
それを止める伝吉の右近さん。これがびっくりするくらいの老けっぷり。三階で見てたら気付かなかったかも。身投げを止められた十三郎が着物の袂から石を取り出すのが、切ない。

大川端では待ってましたの、玉三郎さんのお嬢吉三。もともとは女形に当てた脚本とのこと。やはり玉三郎さんを見ていると、「兼ねる役者」さんが演じるよりハマっていると思ってしまう。女装の男を、女形が演じる。何ともいえない色気。
段治郎さんのお坊吉三は実にはまり役。前述の「悪への招待状」にも出ていたが、南北の根っからの悪人ではなく、道を踏み外した若者という感じが、実に段治郎さんにハマっている。二人並ぶと本当に綺麗…。

【二幕目】

ここの三人夜鷹はいつもおかしい。守若さん上手いな〜。妓夫権次は猿四郎さん。短い出番ながら、台詞のキレがよく気持ち良い演技。
この後伝吉がおとせと十三郎の因縁に気付くのだが、おとせの春猿さんが実に可愛くて、十三郎を凄く好きな気持ちが伝わってくるだけに切ない。

しかしこの場面はやはり右近さんでしょう。睫毛まで白くしてびっくりした。いかにも「昔は悪の限りを尽くした」感じが出ていた。

それだけにこの後のお坊に罵られ、怒りを爆発する場面は残念。数珠を引きちぎるところがいまひとつ迫力不足だった。
でも話の核を握るのは、まず伝吉。この難しい役を、意外なキャスティングで好演した右近さんには、大拍手です。

【三幕目】

この芝居で私が一番好きな幕。堂守の源次坊は猿弥さん。ほんっと上手い。ギリギリの下品さ。実は獅童さんの力量不足を一番感じたのは、猿弥さんとの場面だった。
花道から出てくるおとせと十三郎が仲良く手を繋いでいるのが、この後の展開を思うと泣ける。
それしても再会したお坊とお嬢、こちらもとてもラブラブ。「悪への招待状」では二人はブラトニックと主張していましたが、今回の二人はとてもそうは思えませんでした(汗)。

三幕で感心するのが、廻り舞台の使い方。一気に墓場の場面で、おとせと十三郎を殺そうとする和尚。ここの場面の転換が本当に凄い。
ここの和尚の獅童さんは大変な熱演で、さすがにぐっときた。畜生道を表す斑柄の襦袢などの演出は無し。今回の演出にはこれが実に合っていた。

ここでまた舞台が廻って元の本堂の場になる。ここの死を覚悟しつつも、ちょっと呆けたような感じで背中合わせに座ってるお坊とお嬢が大好きなのだが、ちょっと今回は色気不足?に感じてしまった。でもお嬢に刀をつき立てようとした場面の二人は、実に色っぽい。

【大詰】

上手からお嬢。花道からお坊。閉まった木戸越しに指を絡める。凄く切ない。
昼の部の立師は、尾上菊十郎さん。この立ち回りが実に立体的で格好良かった。捕手も皆さんキビキビした動きで凄かった。
この場も廻り舞台を実に上手く使っている。段治郎さんのお坊が、屋根の上から飛び降りて来たところは、無茶苦茶格好良い!
雪の中、櫓に登り太鼓を叩くお嬢。歌舞伎は本当に美しいと思う。

ラストシーンは壮絶でした…。やはり二人吉三…。
posted by 花梨 at 01:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 芝居・古典 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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