2005年08月27日

「SHIROH」の前は「アカドクロ」「アオドクロ」でした Part3

よくアテガキという言葉を使うが新感線の座付き作家中島さんも、劇団員に合わせてのアテガキが大半。
このアテガキが曲者。再演等で役者が変わる場合、余程上手く芝居を変えないと、初演を超えられない。

『SHIROH』はもしかしてはじめて劇団員以外へのアテガキ?『アテルイ』等あるけど、あまりアテガキとは言えないかな。
中川晃教くんは余程中島さんやいのうえさんの芸術家魂を刺激する存在だったのだろう。(この辺りが『SHIROH』の画期的なところ。)

正直「アカドクロ」を見て、所詮古田新太センターが新感線は一番おもしろい、中島さんの脚本はこの時期の作品を超えられない、とか失礼なことを思ったのだが、『SHIROH』で思いっきりごめんなさいだった。
『SHIROH』はもちろん上川隆也氏はじめ、キャストみなはまり役で素晴らしいのだけど、中川くんはちょっと別格。中川晃教という存在が作らせた芝居だと思っている。

一方『SHIROH』ではお馴染みじゅんさんや聖子さんの、アテガキキャラがちょっとつまらなくなっいた気が…。再演の機会があったら、いっそ松平伊豆守の古田新太というのはダメでしょうか?

さてここからは髑髏城キャスト評。長いし、Part4に続きます(苦笑・でもここで終わる予定)。

髑髏初演から続投している、古田&橋本じゅん。二人にあてて書いている訳だから、二人が良いに決まっている。
他キャストについては、髑髏城は脚本の骨格がしっかりしているから、ストレートにそれを生かすキャストが良い。

で、アカはこの物語のキーポイント、無界屋蘭兵衛に水野美紀を持ってきた。
90年、97年とも、クレジット順は、 捨之介→沙霧。今回は二番目に蘭兵衛。
97年度版を見たときに、蘭兵衛の粟根まことが実に良かったこともあり、この話はもっと蘭兵衛を中心にした方が良いのに、と思ったら、アカはホントにそうしてきた。今までのヒロインは沙霧、アオもそう。アカだけがヒロインが蘭兵衛。
これが大当たりだったんだな〜。

捨之介と蘭兵衛、天魔王と蘭兵衛。このトライアングルが良い。そして悲しい。
二人が並んでいるだけで過去の因縁が浮かぶ。(ここが!アオは弱いんだよ〜!)
一幕で黒い甲冑の天魔王を中心に、白い衣装の二人。美しい。

アカはもうひとつ違いがある。捨之介と物語の発端となる沙霧の関係。
これは古田さんのアカでの役作りも大きいのだけど、かつての気の良いあんちゃんから、包容力のある父親的な要素が強いので、沙霧とは、おじさんと姪っ子的な感じになっていた。

アカの女優さん三人はとにかく物語の中の位置づけを踏まえたうえで、キャスティングされた気がする。
例えば蘭兵衛と極楽太夫。アカは何年も苦労して無界の里を護った同志という感じがよく出ていた。だから悲劇が引き立つ。
極楽と沙霧もあっという間には意気投合。ともに戦うことを納得させられる。

これがアオだとどうもみな仲良くないんだよな〜。七人で戦いそうもないんだもん。役者さん個々は良いのだけど。

坂井極楽はちょっと存在が弱いかな、とも思ったが、その可愛らしさ、弱さが、逆に兵庫の男っぷりをあげ、後半二人の恋愛モードをぐっと盛り上げた。アカの二人の不器用ないじらしさは泣けたな〜。
聖子極楽は97年版は好きだったのに、アオは全然ダメだった。アオの二人は惚れ合ってないもん。佐藤アツヒロも『七芒星』は良かったのにな。

特にラストの蘭兵衛と極楽の対決がほんっと大好きで泣けたのに、なーんでアオはああなっちやったの(怒)?あれじゃ忠馬の男が益々下がるわ。「もういい」って極楽を止める所が格好良いんじゃないか!

それと世間で非常に評判の良い、アオのカンテツ。私は無茶苦茶不満だ。アオの変更点で一番納得いかなかったのがここ。
いや三宅さんは良かったのだけど、何で弟子?贋鉄斎は天魔王のことも、捨之介のことも、全部判って、その因縁も承知のうえで、刀をうち、髑髏城に乗り込むところがキモなのに。だからこそ100人斬りが成り立つ筈なのに。

まぁ色々書いたが結論は、アオはとにかくバランス悪い、7人が心を合わせて戦いに赴きそうに見えない。だからクライマックスのシルエット場面もいまひとつ感動できなかった、ということです。脚本や演出も変えてきた点が、どうも私はダメでした。
アオ版沙霧鈴木杏ちゃんとか好きだったのだけど。あ、アオのラサール石井は全然ダメダメだったな。

当初の予定よりかなり長くなってしまった…。あとちょっこっと古田さんと、演出面について、補足。それで終了予定。今日飲んだ店もおいしかった。
posted by 花梨 at 03:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 芝居・新感線関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>アテガキが曲者。再演等で役者が変わる場合、余程上手く芝居を変えないと、初演を超えられない。
確かにそういうところがありますね。『もとの黙阿弥』も初演は観てないけどきっとそんな感じだと思いました。
>いっそ松平伊豆守の古田新太
これは観てみたいですね。上川さんが大河ドラマだからしばらく再演されないだろうけど。
中川晃教はいのうえさんが惚れこんでますね。『キャンディード』のプログラムに寄せた文章が相当のラブレターでしたから(笑)。『SHIROH』の企画を観てすぐに思いが通じたんだなあって思いましたよ。
CDききこみ始めました。中川・上川の個性の違いが相乗効果を生んでますね。上川さんがこんなに歌うまいのは耳がいいせいでしょうね。『大地の子』の中国語の台詞も耳できいてあそこまでちゃんと覚えて周りを感心させたらしいですから。

Posted by ぴかちゅう at 2005年08月27日 21:34
上川さん良いですね。私も生舞台は「天保十二年のシェイクスピア」くらいしか観てないのですが、改めて声が良いですよね〜。
大河の撮影は大体9月くらいまでのようなので、それまで生の舞台はおあずけで残念。

『阿修羅城の瞳』の再演の時、染五郎さん以外のキャストを総とっかえしたという過去があるのですが、再演あるとしたら、『SHIROH』はどうなるのでしょう?
Posted by 花梨 at 2005年08月28日 10:27
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