初日の記事は以下の通り。
現代の夢物語「雪之丞変化2006」初日(中日スポーツ)
中日劇場で「雪之丞」初日 奇想天外な舞台で魅了(中日新聞) (雪之丞@段治郎の格好良い写真有)
この上演を聞いたとき、「何で今更雪之丞?」と素直に再演を喜ぶより、戸惑いの方が大きかった。
実際に初日を見ての感想は、もちろん一本のお芝居としてはよく出来ており、現代の部分も上手く処理していた。上出来です。
大劇場のメインの客層である、団体さん向けにはとても良いお芝居だろう。実際拍手も大きかったし、自分も楽しんだ。
でも澤瀉ファンとしては、やはり、何故、今この芝居を上演するのか、本当に判らない。観劇後も今更なんで「雪之丞」?になってしまった。
5/2に蜷川演出の「タイタス」、前日にいのうえ演出の「メタルマクベス」と見てからの観劇だっただけに、余計古さが目につき、ちょっと辛かった。
3月の国立「小栗判官」や、昨年の「ヤマトタケル」など、時間がたっても色あせない素晴らしい演目が多々あるに関わらず、何故「雪之丞」なんだろう。
以下、かなり辛口です。澤瀉ファンや、「雪之丞」を楽しんだ方は、読まないほうが良いかと。
(しかしあんな離島でユキヒコはどうやってネットに繋いでるんだ?無線LANとも思えないし。)
初演は1990年。好評で再演・再々演と上演されている。私は生憎95年の再々演しか生では見ていない。(初演はTV放映があったので、映像では見ています。)95年に見た当時は、凄くワクワクして、物語世界を楽しんだ。
結局この芝居には「旬」があったと思う。自分が観劇した当時も「宇宙人ってどうよ」等突込み所は多々あったが、それを凌駕する「若さ」があったので、気にならなかった。
パンフに21世紀歌舞伎組の「校歌」のような作品とあったが、卒業生が校歌を歌ったらおかしいでしょ。
今回キャストで良かったのは、何といっても雪之丞役の段治郎。それとむく犬役の弘太郎。初役だから良いのだと思う。
笑三郎も春猿も、すでにあの役は演じるには、役者として大きくなりすぎている。猿弥はもったいない。
(初演と同じキャストの筈の、笑也、右近が案外違和感が無いのは何故?)
「雪之丞変化」がおもしろかったのは、彼らの若さと芝居の内容がマッチしていたからだ。例え今より芸が未熟でも、95年に見た時の方が、全然おもしろかった。
例えば大評判だった『決闘!高田馬場』。今の染五郎たちが演じるから良いのであって、アレをベテランが演じたら、あのおもしろさは出ないと思う。
演出面では二重盆の使い方とか、95年に見た時も「おお!」となった一幕の幕切れの白い階段とか(この前の客席の使い方とか)、演出良いな〜という部分と、二幕の終盤あたりは「何かいまいち」の演出等もあり…。
ラストの宙乗りは過去最高に無理矢理感があり、逆に宙乗りで萎えてしまった。
でもオープニングの真っ暗の中に浮かび上がる、ユキヒコ@段治郎は、もうもう無茶苦茶格好良かったです。客席のあちこちで「格好良い…」という声が自然に上がったくらい。
それと衣装は色の使い方とか絶妙でした。現代版の皆さんの髪型が妙に格好良いのもツボ。
あと私は決定的に加藤さんの音作りが合わないので、余計芝居が受け入れられないのかも。
猿之助さんの創り上げた素晴らしい復活狂言が多々あるのだから、雪之丞よりそっち上演して欲しいよ〜。興行的には仕方が無いのかもしれないけけど。
繰り返しますが、芝居としては別につまんないわけではないです。まとまってておもしろいですよ。
お聞きしたいことがあるのですが、鳴物の田中佐英さんはなんの楽器を演奏していらしたのですか?鼓でしょうか・・・?どうしても知りたいのですがどうしたらわかるのでしょうか。。。
ご質問の鳴物についても、全くそちらはうといので判りません。済みません…。