日本では1990年に初演。以来多くの俳優によって上演。上演期間は大抵一日。
以上、パルコ劇場HPより
キャストはこの二人。
アンディ:岡田浩暉 メリッサ:彩輝 直
私は今回はじめて観劇しました。大掛かりのセットも、音楽も、照明も無い、そんな舞台。
下手に男性、上手に女性が座って、幼い頃から58才まで送りあった手紙を読む・・・ホントにただ読む、という朗読劇であります。
この「ただ読む」だけに、どれ程多くのものがこめられているか!凄く良かったです。
衣装はどうやって決めているのでしょうか?岡田さんは白いシャツ、彩輝さんは白いノースリーブのワンピースに白いサンダルで、とても綺麗でした。二人並んだ姿も調和が取れていて綺麗。(岡田さんは二幕は+上着&ネクタイ)
幼馴染みのアンディとメリッサ。真面目なアンディと、気ままなメリッサ。お互い大切な存在なのに友達以上になれない。気持ちがすれ違い、別の人間と結婚していく。お互いの結婚式には欠席。それでも欠かさぬ手紙のやり取り。
岡田さんは多少噛み気味でしたが、凄く戯曲に入り込んでおり、年齢の経緯、アンディが大人になっていく姿がよく判りました。
最初は少年、声を高めにして、可愛いらしい。難しい時期の思春期。二幕以降の大人の男。特に衣装も二幕でネクタイと上着をプラスしたことで、ああ、アンディは(世間的な意味で)大人になったのだな、とよく判った。
彩輝さん、初めて拝見したけど、綺麗な人でしたね。声も凄く聞きやすい。自由奔放なメリッサにとても合っている。精神を病んでいても、どこか可愛らしい。それだけに痛々しく、切ない。
この朗読劇はやはり後半、二人が年を重ね、立場を異にし、それでようやく結ばれ、でもそれは未来の無い関係で…という所が最も胸に迫るので、ある程度年齢を重ねている俳優さんの方が良いのかもしれません。これも若い俳優さんで見たら、また認識が変わるのかもしれないですが。
もう若い二人がすれ違ってしまうのが、何とも言えずもどかしい。アンディもメリッサも、別の相手とデートしたりするなよ〜。ちょっとの誤解なら、お互い許しあおうよ〜、と思うのも、自分が年をとったからなのだろうな。
年齢を重ねてようやく結ばれる二人。でもアンディには社会的地位があり、家庭もあり…。メリッサは家庭も失い、子供も取られ、芸術家としても段々上手くいかなくなり…。アンディに向ける思いが、悲痛で痛々しくて、この辺りから私はもう涙が…。
最後、ボロボロになったメリッサ。そんな彼女を結局は見捨てられないアンディ。彩輝さんはずっとハンカチを持っていたのだけど、ラストのメリッサは確かにハンカチ必須。死んでいくメリッサの言葉を見事に伝えてくれました。
いなくなってしまったメリッサへの、アンディが語る言葉のひとつ、ひとつが心に染み入る。岡田さんはここは感情を抑えて淡々と語っていて、だけど抑えきれないものが溢れそうになって。
この芝居、とても静寂の中なので、嗚咽しさうになる自分を堪えて、息苦しくなりました。
全ての言葉が終わり、岡田さんが慌てて上着のポケットを、ハンカチを探ったのが印象的でした。
何も特別なことはしない。お客を驚かそうともしない。だけどこんなに感動する。脚本の素晴らしさ。そしてその書かれた手紙の言葉を、深く伝える俳優さんの素晴らしさ。
また、ぜひ、この素敵な朗読劇の空間を味わいたいです。
love lettersは(佐々木)蔵之介さんと中島朋子ちゃんバージョンを見ました。
蔵ちゃんのファンなので福島まで遠征しました。
あと、好きな中村トオルさんバージョンも見ました。
是非堤(真一)くんにも出ていただきたいのですが、相手役が浮かびません〜
あの舞台は独特の世界ですよね。
私はもう一度別所さんがやらないかな〜と思ってます。1993年じゃまだベッシーに興味ない頃だよ〜(泣)