2006年02月12日

「マクベス」りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ 感想

今回一番私がひきつけられたのは、演出及び、舞台を作るスタッフの仕事。
例えば衣装の時広真吾さん。和の衣装ってひどく難しくて、特に歌舞伎を見慣れている人間には、他のお芝居の和もの衣装って、どうしても安っぽく感じてしまうと思う。
今回の衣装はなんて美しいのだろう。特にマクベス夫人の拵えの美しさといったら!

ココで衣装が大きく見られます!
http://blogs.yahoo.co.jp/backstage_majorleague/24624681.html

舞台の作りはいたってシンプル。能舞台だからセットも無い。照明も極めて絞った使い方。だからこそ生きる衣装の美しさ。隅々まで行き渡る、演出家の美意識を見た気がする。

栗田芳宏さんと横内謙介さんの対談を見つけました。
http://www.performingarts.jp/J/art_interview/0503/1.html

栗田さんの経歴、過去の演出作品を知る旅に、もっと早く見ていれば良かったと大後悔。日本の文化の根底がきちんと身についている方だからこそ、能舞台でシェイクスピア+歌舞伎俳優という組みあわせに、摩擦を起こすことなく、美しい舞台を作りあげられたのだろう。

東京のリターン公演があるので、早速再観劇を決めてしまいました。本当に素敵な舞台。ぜひ一人でも多くの方に見て欲しい〜。

名古屋は 2/14・15 名古屋能楽堂
大阪は 2/16〜18 大槻能楽堂
東京は 2/20〜22 梅若能楽学院会館

能舞台を上手く使うのは、ひどく大変な作業だと思う。でも栗田さんの演出は難なくそれをやってのけているように見える。登場人物の出方、舞台での位置、いずれもうつくしい。
魔女は童女。市松人形のような愛らしさで、からくりのような動き。一幕はそれぞれ意趣の異なる、えんじを基調とした着物。二幕は白一色。歌うような綺麗な台詞で、物語をつむいでいく。
中心には紫さん。台詞ひとつひとつが腹にしみる。この魔女の使い方だけでも、この芝居を見る価値がある。

右近さんのマクベス、笑也さんのマクベス婦人。他がストレートプレイの役者さんたちの中、二人はやはり異質。その異質さが狙いだったのだろうか…?
二人とも後半の方が私は好き。後半、夢遊病のマクベス夫人の笑也さんのうつろいが美しい。右近さんはやはり最後が絶品。席が丁度中正面だったので、死するマクベスを真正面で見ることが出来ました。この表情は凄いです。
こういうシンプルな舞台だと、役者の所作の鍛え上げ方が露呈してしまうのだけど、この辺りはお二人はさすが!です。

喜之助さんのマルコムも誠実な芝居。あとはなんと言ってもバンクォー役の谷田さん!この方の出演舞台は今後チェックしようと決めました。

マクダフの妻・子供殺しの場面、森が動く場面、いずれも演出が素晴らしい。制約のある能舞台だからこそ、生きるギリギリの美意識、演出。展開される物語、観客に迫る台詞の数々。私は「うつくしい舞台」が好きなんだと、改めて思わされた。

余談ですが、「天保十二年のシェイクスピア」を見たあとに、しっかりと「マクベス」を見るのも楽しいですね。井上ひさし氏のシェイクスピア作品の取り込み方の絶妙さが改めて判ります。
posted by 花梨 at 02:13| Comment(7) | TrackBack(6) | 芝居・一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も観てきました。頑張って感想書きましたのでTBさせていただきました。
>「天保十二年のシェイクスピア」を見たあとに、しっかりと「マクベス」を見るのも楽しいですね。...同感です。
小さくシンプルな舞台で見立てと動きと必要最小限の音楽でここまで濃い舞台はなかなかないでしょうね。大劇場だとこうはいかないでしょう。贅沢な時間を過ごす事ができました。次回は「オセロー」だそうです。ちゃんとチェックしておこうっと。
Posted by ぴかちゅう at 2006年02月13日 02:34
ぴかちゅうさん、こんばんは。
実際戯曲を読むのと、ちゃんと芝居で役者さんの声で台詞を聞くのとは、やはり伝わってくるものが違いますね。「天保…」で使われた台詞等が、すぐに判りました。
次回の「オセロー」、私も要チェックです。
Posted by 花梨 at 2006年02月14日 01:11
拙ブログへのコメントも、ありがとうございました!
衣装について拝見できたのは、とても興味深かったです。
横内さんの舞台も、実はお気に入りです♪
こうやって、更に世界は広がっていくのですね。
(嬉しい悲鳴)(^^;
Posted by midori at 2006年02月14日 09:57
midoriさん、こんばんは。
今回の『マクベス』のおかけで、りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピア・シリーズやら、栗田さん演出作品やら、その他もろもろまた興味の幅がひろがってます。
まさに「嬉しい悲鳴」です。
Posted by 花梨 at 2006年02月15日 00:00
>花梨さま
初めまして。風知草のとみといいます。上方で細々と観劇している雑食系です。
貴宅でリンクされておられた,マクベス夫妻のお写真で大槻能楽堂に走りました。最高です。蜷川さんは好々爺になられましたので,先鋭的な栗田さんに期待大です。マクベス談義は書き始めたらキリが無くなりますが,後を引く感動を語りたくお邪魔しました。
Posted by とみ at 2006年02月21日 23:43
今日 行ってまいりました。
得チケであんな素晴らしい舞台を見せていただいて感謝!感謝!です。
案の定迷いました(爆)が親切な方が連れていってくれました。
真聖さんとも無事に再会できました。
感想UPはまだなのですが 取り急ぎお礼まで。
Posted by あいらぶけろちゃん at 2006年02月22日 00:14
「マクベス」に反響多くて嬉しいです♪

とみさん、こんばんは。「よく拝見するブログ」に拙宅も加えて頂き、感謝です!
あのマクベス夫妻写真は凄いインパクトですよね。マクベスについての考察、楽しみにしています♪(昔、蜷川マクベス見ているのに、記憶が薄いのですよ〜。)

あいらぶけろちゃんさん、こんばんは。何とか能楽堂にたどりつけたようで良かったです。ホント、あの格安の得チケで、あんな素晴らしい舞台が見られるなんて、贅沢ですよね。

明日はついに千秋楽です!
Posted by 花梨 at 2006年02月22日 00:31
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