2005年12月17日

エビ大王  青山劇場

エビ大王  青山劇場
洪元基による韓国の戯曲。2002年にソウル芸術祭で「作品賞」「戯曲賞」を受賞した作品。

渋谷劇場三箇所詣第一弾。余り予備知識もなく見に行く。(最初ちらし見た時ギャクがと思ったし)ギリシャ悲劇、韓国版かと思うような内容。2時間15分、飽きることなく突っ走った。

絶対的なエビ大王、しかしその王には娘しかいない。息子を渇望するが、来世よりの使者が迎えに来る。息子を授かるまでは命を長らえさすことを約束するが、代わりに毎日大量の民衆が死ぬ。息子を得る鍵になっているのは、王が川に捨てた最後の娘、パリテギ。

脚本は少々荒い部分も多いし、分断された国家とかが前面に出てくると、やはり私はちょっと苦手意識が出てしまう。ただそれでもスケールが大きくて、パワーのある脚本でした。
膨大な台詞劇。日本でもこういう脚本が新作で出来て欲しい。

もう少し整理して欲しい部分もあるし、最後は私の好みとしてはもっと悲劇的に盛り上げて欲しかった。王が探していた「息子を産める女=捨てた娘・バリテギ」というのは、途中から予想がつくけれど、それでもやはりこの結末は衝撃的。
これは私の純粋な好みなのだけど、もっと己の罪におののいて欲しかったな〜。芝居上では二人は関係を持ったか持たないか、曖昧な表現なのだけど、パンフによると脚本家は「関係を持つ」なのか!おお!では最後にパリテギが抱いていた赤ん坊は?色々考えさせられとしまっさた。

ただその脚本を生かしていないのが演出。どうも中途半端。新感線っぽい手法も、だったら新感線で見た方が良いし。火も中途半端に何でも出てくるから効果半減。戦いを旗で表現するのだけど、これも三国志シリーズ等に比べると全然ダメ。良い部分もあるだけに惜しい。

役者陣は凄かった。筧さんの王はド迫力。橋本じゅんさん、河原さんの死神コンビも実に良い。伊達暁さんもなかなか。アツヒロくんもさすがに殺陣うまい!男優陣はみな素晴らしかった!
それに比べて女優さんたちはちょっと実力不足。今手元にこの作品の古いちらしがあるのだが、ちらしに載っている出演者は男優・5人のみ。肝心のパリテギ役すら決まってなかった?女優さんが決まるの遅かったんだろうな〜。

この舞台そのものが、詳細がなかなか発表されなかったり、チケットの発売が遅かったり、青山劇場一ヶ月の割には宣伝が不足してたりと、舞台の裏の不手際が単なる一観客にも見えてしまったのが、少々気になります。青山劇場を一ヶ月押さえているのだから、かなり前から企画はあったと思うのですが。
せっかく良い企画だし、良い舞台だから、今後もぜひ続けて欲しいです。

色々書いたけど、かなり刺激的でおもしろい芝居でした。2時間15分、休憩無しで全然オーケー。
posted by 花梨 at 21:56| Comment(6) | TrackBack(1) | 芝居・一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。私も同じ日にエビ大王を見に行って来ました。
エビ大王とパリデギが最後に関係を持つかどうか・・・ 私もお芝居を見てどちらなのか考えていたのですが、脚本家さんは「関係を持つ」方向で考えていたんですね。
公式HPのストーリーでは「関係を結びそうになる、すんでのところで互いの素性が明らかになる。」とのことなので、関係はしていないのですが。実際はどうなのでしょう?見る側に委ねるということでしょうか。でもラストのパリデギは誰の赤ちゃんを抱いてるんでしょうね。
Posted by hikaru_kimi at 2005年12月19日 14:24
hikaru_kimiさん、こんばんは。訪問ありがとうございます。

エビ大王とパリデギについては、脚本家さんも「演出家の判断」に委ねているみたいです。公式のストーリーだと関係はしていないみたいですね。一応どちらとも取れる演出にしたのかな?と思います。

ラストのパリデキには、どうも違和感があります。納得いかない、といいますか。とはいえ、観劇後もこれだけ色々語ることが出てくるというのは、好き嫌いはあれども「刺激的な芝居」だったのでしょうね。
Posted by 花梨 at 2005年12月20日 00:53
こんばんは。私は昨日、見に行ってきました。
そうですねー役者さんはとてもよかったのに何か伝わって来ないところもありました。

自分の理解力不足なのか、国民性なのか。
特に女優陣が分からなくて。
円城寺あやさんの后、パリデキの母とパリデキのシーンがもっと踏み込んでてもよかったなぁと思いました。
音楽も「天国の階段」の曲をそのまま使っていたり。
青山劇場の舞台の割にはツメが甘いな、と思わずにはいられませんでした。

再演したらいいのになぁ〜と思っています。
もうちょっと改良して。
Posted by オロチ at 2005年12月23日 21:00
オロチさん、はじめまして。訪問ありがとうございました。

脚本も結構穴だらけなのですが、演出でかなの部分カバー出来ると思うのですよね。なかなか新作の脚本が、今無いですからねぇ。

「天国の階段」をそのまま使っていたのですか!見たことないので、全く気が付かなかったです。

企画としてはおもしろいと思うので、別の作品を上演するにしろ、もっと練って上演して欲しいです。
Posted by 花梨 at 2005年12月24日 01:22
エビ大王、楽しみにしていたのに、風邪でダウンし、観れませんでした・・・(涙)
あちこちで「役者陣の力量」が称えられているので、いいホン、演出、女優陣、宣伝(笑)を揃えての今後の展開を楽しみにしたいです♪
Posted by yopiko at 2005年12月24日 15:59
風邪だったのですね。残念。まぁ内容的には正直微妙でした。特に演出が全然私的にはダメでした。

とはいえ筧さんの頑張りを見ますと、もう少し色々な面で練り直して頂いて、第二弾に漕ぎつけて欲しいと思います。



Posted by 花梨 at 2005年12月26日 00:47
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

「エビ大王」
Excerpt: 22日(金)19:00 青山劇場「エビ大王」観劇 「エビ大王」は「荒事」という文字にひかれていったお芝居。 Team ARAGOTO は、特に勇猛で荒々しい作品を選び「荒事」的な趣向のコラボレーション..
Weblog: 花がいっぱい。
Tracked: 2005-12-24 01:14
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。